やはぎ 陽一 より みなさまへ


やはぎ陽一候補あいさつ(開票中・要旨)

(19.4.21 於 やはぎ候補選挙事務所)

 

3月29日の立候補表明以来、3週間という短期決戦でしたが、予想した以上の大きなご支援と期待をいただきました。

 

もうすでに現職高橋市長に当確が出ていまして、残念な結果になっています。行く先々で「今の市長を変えてほしい」という強い期待の声を聞き、「絶対当選してもらわないと困る」とまで仰っていただいていましたので、私の力不足でその期待に応えられず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 

まだ票数が分かりませんが、直前での立候補にしては非常に強い反響をいただいたと思っています。市民会館と原発再稼働の問題を中心に訴えましたが、今の市民会館の進め方に対する強い批判とか、再稼働には市長としてきっぱり反対してほしいという有権者のみなさんの強い意見があることを感じました。

 

高橋市長には、こういった市民・有権者の声をしっかり謙虚に受け止めていただきたいと思います。現在の市民会館の計画とか、原発再稼働に対する高橋市長の態度が、有権者から信任を得たとは言えないと思います。

 

市民会館の問題でいえば、私たちが「あの場所に大きなものを建てるから巨額のお金がかかって無駄遣いである」「もっと使いやすいものを早く作るべきだ」と訴えたのに対し、今の計画が活性化に役立つし必要なんだという正面からの反論はついにありませんでした。

 

東海第二原発の問題は、高橋市長は一貫して、「実効性のある避難計画が立てられず、住民理解が得られないもとでの再稼働には反対である」という言い方をしています。ですがこれは避難計画が立てられて、住民理解が得られれば再稼働に賛成するという余地を残した態度です。有権者の側からすると、一見反対であるかのような誤解を与える態度表明です。これも賛成なのか反対なのか、実効性のある避難計画が立てられるのかどうかについて、正面から有権者に信を問うたわけではなくて、いわば争点そらしをして支持を得たものですから、これも決して高橋市長の対応が支持されたと見るべきではないと思います。

 

そのほか暮らしの面でも、私が訴えてきた点についてはみなさんの支持を得られたと思っていますので、現市長の市政の進め方が積極的に支持されたとみることはできないと思っています。そういう点も謙虚に受け止めて3期目を進めていただきたいと思います。

 

市民会館の問題も原発の問題もこれで終わったわけではなくて、市民会館は、これから膨大な予算をつけて進めていくのか、原発の問題も、本当に実効性のある避難計画ができるのか、できたといえるのかということがこれから問われていきますので、市民のみなさんと一緒に問題に取り組んでいきたいと思っています。

 

たくさんの皆さんにご支援いただいたことにあらためて感謝申し上げます。

以上

 


ごあいさつ

 

私は、水戸市内で35年間弁護士として働いてきました。

 

この間、さまざまな困難をかかえた方たちに寄り添い、その力になることを自分の使命と思って仕事にとりくんできました。

 

水戸市は、泉町再開発による新水戸市民会館建設を推し進めています。「建築費が高すぎる」「渋滞のおそれがある」など数々の疑問や批判があるにもかかわらず、再開発法による権利変換という手続きで、反対している人の権利まで、有無を言わさず開発組合に移転してしまうというやりかたをみて、このまま進めさせるわけにはいかない、と思いました。企業の利益や経営の効率のために、健康や命をうばわれた炭坑夫のじん肺患者など、これまで接してきたたくさんの当事者の方々と重なるものがありました。

 

私はこれまで、八ツ場ダム差止め訴訟や霞ヶ浦導水差止め訴訟などを担当し、そうした事業がいかに有害無益であるかが裁判で明らかになっても、計画を止めようとしない、行政のありかたに強い疑問を持ってきました。

 

これ以上悔しい思いをする人を出さないために、これ以上有害無益な税金の支出をさせないために、最後の手段として、市長を変えるしかない、というやむにやまれぬ思いで、立候補を決意しました。

 

私は、地方自治体は住民の福祉の向上をはかることが第一の役目と思っています。憲法13条は、だれもが幸せになる権利をもっていると定めています。これこそが地方自治体の指針であり、そのために「全体の奉仕者」となるのが市長の立場です。特定の企業や勢力の奉仕者であってはいけません。私は、市民一人ひとりを大事にするあたたかい市政を目指したいと思います。

 

私は、2015年度に日本弁護士連合会の副会長を務めた当時、高齢者・障害者やDV・ストーカー・児童虐待など特別のニーズをかかえた方々が資力の有無を問わず法テラスを利用できるための法改正と、その制度の運用に力を尽くしました。福祉と司法の一層の連携をはかり、深刻な困難をかかえた方々の問題解決に役立つしくみをつくりたいと思います。

 

福島の原発事故は、原発事故の恐ろしさ深刻さを、事実をもって示しました。東海第二原発で同じ事故が起きたら、水戸市民全員が避難しなければなりません。万が一の事故のときに市民を安全に避難させるのも市長の責任ですが、最も責任ある態度は、老朽化した東海第二原発の再稼働をやめさせ、廃炉にさせるよう力を尽くすことだと思います。

 

私は学童保育の運営に関わり、震災を機にNPO化された学童保育の理事長をつとめています。中学高校のPTA会長もつとめ、子育てや教育には関心を持ってきました。児童虐待の事件が報道されるたびに胸が痛みます。教員の働きすぎの改善も急務です。教育環境の整備に務めたいと思います。

 

私は憲法を守り生かす活動にもとりくんできました。毎年5月3日に千波湖のほとりで1000名ほどの人が集まって開催されている憲法フェスティバルの実行委員会事務局長として、市民の皆さんと一緒に、9条をはじめ日本国憲法の値打ちを確認し、これを現実の社会に生かし守り抜いていく活動に取り組んできました。水戸市の空襲の歴史を後世に伝えるなど、憲法の原点を市政に生かしていきたいと思います。

 

いまの社会は、若者が将来に希望を持ちにくい世の中です。奨学金の返済で苦しんで自己破産するとは、学生が生活のためにブラックバイトから抜け出せなくなるとか、およそ先進国では考えられない現状があります。国の政治のありかたが大いに問題ですが、地方自治体のありかたを変えることで、こうした若者が希望の持てる社会を実現したいと思います。

 

多くの市民の皆さんの力、一人ひとりを大事にし、市民だれもが夢をもって未来にはばたける水戸市を、ともに作っていきたいと思います。ご支援をよろしくお願い致します。

 

やはぎ 陽一


水戸翔合同法律事務所より みなさまへ

「所長の決断」

 

水戸市に法律事務所を開設して35年、これまで政治に関しては常に裏方に回ってきた我が事務所の所長谷萩陽一弁護士が、このたび水戸市長選挙への出馬を決意しました。

 

谷萩所長の出馬をあと押ししたのは、現市長が計画している市民会館の建設によって立ち退きを迫られることになる地権者の法律相談でした。市民会館建設予定地で長年営業し暮らし続けてきた地権者を追い出す手続きは着々と進み、立ち退きに反対する地権者の悩みと苦悩は極限状態にありました。なんとかして計画をストップさせたいという気持ちが、谷萩所長の背中を押しました。

 

私は、我が事務所の所長がこうした決断をしたことを心底「かっこいい」と思います。所長は日頃は猫背で小股で歩いていますし、会議中に居眠りしながら話を聞いている(?)こともあります。しかし、そういうことが全部吹き飛んでしまうくらい男気のある決断でした。

 

日頃はさほど威厳を感じない所長ですが、日弁連副会長や茨城中学高校PTA会長などの要職も歴任してこられました。そこに至る過程では、弁護士会活動でも市民活動でもPTA活動でも、さらに私生活での子どものお弁当作りであっても、すべて真摯に取り組んで来た長年の努力があったと思います。地元では、茨城の市民オンブズマンの設立に関与し現在でも幹事の地位にありますし、憲法問題でもネットワークの代表、学童クラブのNPO法人の理事長も務めています。多忙をぼやきながら、居眠りしながら、それでも必死に依頼者、市民運動、住民運動、地域や社会の要請に応えてきた35年間の積み重ねが、今回の市長選の結果に結実することを同じ事務所の後輩弁護士として心から願っています。

 

今回の水戸市長選挙は、首都圏から最も近く、しかも我が国で最も古い原発の1つである東海第二原発の再稼働を阻止する選挙でもあります。

 

福島第一原発事故後、水戸市は、東海第二原発の周辺自治体として、日本原子力発電株式会社との間で新協定を締結し、再稼働前の実質的な事前了解権を得ることができました。水戸市1市であっても再稼働に反対すれば、日本原電は東海第二原発を再稼働することができないのです。

 

現職の市長は、日本原電との新協定締結にイニシアティブを発揮した市長であり、「実効性のある広域避難計画の策定及び市民理解の得られない再稼働は認められない」と公約しており、一部には期待の声もあります。しかし、既に東海第二原発は新規制基準にも20年延長の審査にも合格していますので、現時点で再稼働反対を表明できないというのでは、見識に欠けると言わざるを得ません。水戸市民も含めた東海第二原発周辺の90万人を超える住民のいのちや暮らしを守るのであれば、再稼働は認めないと明確に表明すべきであり、谷萩所長であればそれができるのです。

 

私たち所員一同、「所長の決断」を支え、事務所の仕事でもご迷惑をおかけすることがないよう努めたいと決意しています。

皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いします。

 

弁護士 丸 山  幸 司